会社にはいってすぐに辞めた


無職になってから、失業保険を申請したくなくて、すぐに再就職を目指して行動した。
indeedで、「簡単なお仕事です♪」と書かれた正社員の求人を見つけた。
給料は手取り15万円と安く、休みも年間100日もなくて少ないけど、とにかく早く再就職したかったので応募した。
そうしたら、面接時にあっさりと採用された。

地元に古くからあって、子供の頃にローカルCMでも見たことがある会社だった。
田舎の会社らしく、家族経営でのんびりとした雰囲気で会社の人たちも穏やかでいい人たちだった。

給料や休日が少ないという不満が頭の隅に燻ったまま悶々としながらも、でも、とにかく収入を絶やしたくなかったので、それを覚悟して入社を決意した。

入社初日、直前に入ってすぐにやめた人がいると、先輩従業員から聞いた。
続けて話を聞いていると、それとは別に仕事を覚えていた人が二人辞めたそうだ。
そしてなんと、仕事を教えてくれている責任者の人は、今月いっぱいでこの会社を辞めるという。

なんなんだ、この状況は?
まるで、みなが逃げ出している様じゃないか?
頭の中で燻っていた不満の種火に、息が吹きかけられ、プスプスとパチリと、火花が弾けた。

そうして、その種火に可燃物が投下される出来事がすぐに起きた。
翌日、パソコンでの作業を教わっているときだった。
「あれ、なんかずれるなー」
「なんか変だなー。家のとバージョン違うのもあるのかなー?」
先輩が、目の前でパソコンを操作をしながら首をかしげる
そして次に放ったひと言。
海賊版だからかなー」

目の前が一瞬暗くなった。
その言葉は私の眼前を横切り、ほんのりと色づいていた種火にくべられた。
違法ソフトを平然と使う倫理観のなさ。ここだけ20年前から時代が進んでいないみたいだ。
アカンヤロコレ。
危険を知らせる報知機が鳴った。
この会社にいちゃまずい。

翌日、退職の意を伝えた。
会社も、立て続けに人が辞めているので慣れたものなのか、ああ、そうですか、保険とか手続きしてないのですぐに辞めていいですよと提出していた書類を返却してくれた。
そうなのである、入社時に雇用契約書もなければ、労働条件通知書もなかったのである。
そんな会社であった。

あっという間に、また無職になってしまった。
今も求人サイトにかじりついて探しているけれど、なかなか40代で実務経験のない人間を雇ってくれるまともな仕事は見つからない。
派遣会社を辞めるときに言われた「紹介できる仕事がない」という言葉が頭の中をずっとリフレインしている。
路頭に迷う未来が薄っすらと脳裏に浮かぶようになった。

とにかく、私の住んでいる場所では仕事が見つからない。
雇われるのが難しいなら、フリーランスでやっていくしかないのだろうかと思うようにもなってきた。


どなたか、お仕事をいただけないでしょうか。
Web制作ならできると思います。個人で仕事としてやるのは初めてで不安ですが。基本情報技術者試験に合格しているので、ITの基礎的な知識はあります。過去に、スクラッチでアンテナサイトを作成したり、WordPressでアニメ情報サイトを作成運営して月に最高10万PVいったこともあります。
単発のお仕事やアルバイトでもいいですし、採用や面接のオファーであればすごくうれしいです。

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