歌と踊りは演技の原点なのかな?(La La Land感想ネタバレあり)

 またまたGyaoで無料配信していた映画を観たので、その感想を書きます。

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 今回は「La La Land」(ラ・ラ・ランド

 この映画、物語はいたって普通の恋愛もの。男女が第一印象最悪で知り合い徐々に距離が近づき恋仲になって別れるという、どこにでもある話だ。ストーリーに大した新鮮さはない。この映画の特徴は劇中の歌とダンスだろうか。のっけから歌って踊ってはじまり、劇中いたるところで「急に歌うよ」。

 自分のなかでは、劇中に歌って踊る映画というのはウエストサイドストーリーとかそのあたりのけっこう昔の映画というイメージがある。しかし、その時代の映画はきちんと観たことがないので、なんとも言い難いところがある。

 歌と踊りで物語を楽しむものというと、ほかにはオペラとかバレエのようなものを思いつく。これらは大昔にできあがったものだ。今の時代の演劇、とくにドラマや映画は、われわれの普段の生活の話し方やしぐさというものをできるだけそのままに再現するように演技することがあたりまえになっているけれど、大昔のオペラのようなものができた時代は、まだ演技というものが未成熟で原始的だったために、演じるということを現実と区別されたものとらえていて、だから歌って踊って大げさにすることで演じることとしていたのではないかな……と、ふと今そう思った。日本でも昔の演劇と言える歌舞伎とか能とかは、あきらかに演じ方が大げさで非日常的だ。現代のドラマや映画でみられる、現実を模倣する演じ方は、じつは最先端の演技法なんじゃないかなと思った。(私は演劇関係の人間ではないし調べてもいないので、この考えがほんとうはどうかは知らんよ?)

 この映画がおもしろいかどうかだけど、ストーリー自体は無駄なくよくできてるので楽しめるんじゃないかな。可もなく不可もなく。まあ、つまりは、この映画は、歌って踊って演じるという演技の手法を、監督が試してみたかっただけの映画なんじゃないかな? そう私は感じた。

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