興味を持てないとやはりつまらなく感じてしまいます。「蟹工船」(2009)感想

 また無料の映画を観たので感想を書きます。

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 今回は「蟹工船」(2009)。鉢巻をした松田龍平が写っていたサムネイルに引かれたのでクリックしてみました。つまらん映画でした。

 過酷な労働環境で働く労働者の苦しみを描くのが、この映画ひとつの役割としてあると思います。ですがこの映画からはその労働者の苦しみの迫真さというものが感じられませんでした。役者たちは一生懸命演技をしているのに、悲壮感が伝わってきません。演技というか役者たちのたちまわりも悪いのでしょうか、なんだか映画を観ている感じがしなくて、そうですね演劇を延長したような感じがします。セットが閉鎖的なせいなのもあるのでしょうか……。それにしてもあれだけの人数がいて、誰かが喋ると一斉に注目して固まってしまったりというのは違和感しか感じません。昔、役者を目指していたバイトの同僚に誘われて観た劇のよう。

 いったいこの映画はどれくらい原作を再現しているのかなと気になりましたので、原作を読んでみようとしたんですが、読み難さもあり冒頭を少し進んだところで読むのをやめました。原作もおもしろいものではないのだと思います。それを映画にしたっておもしろくはならないのかもしれません。しかしそれにしてもつまらなさ過ぎる。

 時代性もあるのでしょうか。今の時代にあった職場環境で労働の過酷さを映画にすると、身近なものとしてもう少し興味を持って観ることができたかもしれませんが、それができなくても原作をおいしく料理するのが監督の手腕というものですよねたぶん。

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